影を落とした

窓の外　歩く女は左団扇

対する俺は燻りゃ不貞寝

日暮れるごとに舌を巻き咽せる

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小指を切った　ああ幾年

枯れ葉は幾度土となり

裸のままで家を出る様な

気恥ずかしさに着膨れた様な

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淡い恋にしみったれた

俺にだって分かる

どうかしてる誰も彼も

綿菓子のようなフィロソフィ吐いて

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一駅渡る金もなく

骨も蒸すような坂を行き

アベック客に隠れ紛れて

不可抗力で流れ着いたようなフリをして

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見下ろすのは腐ったジオラマ

忘れ難き故郷だね

君追いしかの季節巡る

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淡い恋にしみったれた

俺にすら分かる

気付いている誰も彼も

木枯らしのようなリアリティ吹く

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影を落とした

窓の外　歩く女は左団扇

対する俺は燻りゃ不貞寝

日暮れるごとに舌を巻き咽せる